【1】2019年度重点施策 (1)若い世代を増やす 狭山市における人口の推移を、改めて申し上げます。 昭和29年、1町5か村が合併して誕生した本市は人口約3万人からスタートしました。その後、多くの住宅や企業が立地し、都市としての基盤整備が進みました。人口は、平成6年には16万3,647人とピークを迎えました。これに関して、昭和46年から昭和49年の第二次ベビーブームの時、年間に生まれる子どもの数は平均1,941人でしたが、この子どもたちの多くは、市外に仕事と住まいを求めて転出していくこととなります。事実、彼らが成人する頃の平成6年以降、転入よりも転出が多い社会減となったことは、如実にその状況を表していると言えます。 現在では、長らく続いていた社会減の動きに歯止めがかかりつつあり、2017年には24年ぶりに社会増となったことは、本市にとって大変明るいニュースとなりました。しかし、年間に生まれる子どもの数は967人となり、ピーク時の半数以下となっています。 まちの活力の源は人です。2017年度にスタートした親元同居・近居支援補助制度につきましては、これまで本制度を利用し、246人の転入を実現することができました。2019年度についても、若い世代や子育て世帯等の定住や市外からの転入を促すべく、引き続き本制度の一層の活用の促進を図ってまいります。 また、若い世代を増やしていくためには、若い世代の結婚、妊娠、出産の希望を叶えることも重要であります。 このうち、結婚につきましては、引き続き婚活支援事業を実施するとともに、埼玉県が主体となって立ち上げた、出会いから結婚までの伴走型の支援を行う、SAITAMA出会いサポートセンターの協議会に参画し、若い世代に当該センターの積極的な利用を促してまいります。また、様々な事情により、結婚式を挙げないカップルを対象に、狭山らしさを演出した届け出挙式を実施するとともに、本市に婚姻届けを提出したカップルには、狭山市ゆかりの文化人の作品を活用した婚姻記念証などを発行してまいります。 次に、妊娠期から子育て期における支援につきましては、保健センターと市役所本庁舎の2か所の専用窓口において、妊娠の届け出の際に保健師等が妊婦と直接面談し、出産や育児に関する様々な相談や支援等にあたる、母子保健型利用者支援事業を、引き続き実施してまいります。 なお、子どもを望む夫婦への支援につきましては、不妊の検査や治療に要する費用の助成に加え、不育症の検査に要する費用も助成してまいります。 次に、幼児期における支援につきましては、子ども・子育て支援新制度に基づき、幼児期の教育・保育に総合的に取り組んでいくとともに、子ども・子育て支援事業計画の計画期間が2019年度で満了することから、新たな計画を策定してまいります。また、ファミリーサポートセンターを利用する非課税世帯等に対して、新たに利用料の助成を行ってまいります。 なお、消費税率の引き上げに伴う対策の一環として予定されている、幼児の教育と保育の無償化についても適切に対応してまいります。 また、仕事と子育ての両立支援につきましては、これまでも待機児童の解消を図るため、子ども・子育て支援事業計画の目標を2年前倒しして、定員の確保を行ってまいりましたが、依然として解消に至っておりません。これに関して、2018年度末において、90名の定員増員が見込まれる中、2019年度におきましては、新たに約200名の保育の受け皿を確保するため、複数の民間法人による認可保育所等の整備を支援するとともに、企業内保育施設の地域枠の活用を促進するなどして、待機児童の解消に取り組んでまいります。 なお、これに関連して、狭山台幼稚園の跡地の利活用につきましても、既存園舎の解体を行うとともに、跡地で民間保育園を運営する事業者を公募してまいります。また、入間中学校の跡地につきましても、子育て支援の拠点施設等を整備するため、これを担当するプロジェクトチームを新たに設置し、既存校舎の解体を含めて、具体的な準備を進めてまいります。 次に、ひとり親家庭への支援につきましては、医療機関を受診する際の利便性の向上と経済的負担を軽減するため、ひとり親家庭等医療費について、来年1月から、市内の指定医療機関を受診した際の窓口払いを廃止することとし、これにより、本市におけるすべての医療費支給制度について、窓口払いが廃止となります。 また、要保護児童対策として、児童虐待を防止するため、これまで、こども支援課をはじめとする庁内の担当部署間で、また、児童相談所や警察などの関係機関との間で、それぞれ連携を強化し、情報共有を行い、悲惨な事件の防止に向けて取り組んでまいりました。こうした中で、支援を必要とする世帯が居住地を異動した場合においても、確実に情報を共有することで、児童虐待防止の網の目を細かくすべく、本年1月18日、所沢市、飯能市、入間市及び日高市に呼びかけ、5市の間で児童虐待防止に関する連携協定を、県内で初めて締結いたしました。今後はこれを基に、近隣市間との連携をより一層強化するとともに、県内全域に、こうした取り組みが広がるよう働きかけてまいります。 次に、学校教育の充実につきましては、新しい学習指導要領の趣旨を踏まえて、生きる力を備え、未来へはばたく“さやまっ子”を育成するために、特に、学力向上の面では、児童生徒が、主体的かつ対話的な学習活動を実施することにより、深い学びを実感できるよう、授業の改善に努めてまいります。 また、授業外での取り組みとして、中学生学習支援事業を実施しておりますが、これに加えて、新たに小学校4年生を対象に、算数の学習を支援する小学生学習支援事業を実施してまいります。 さらに、小学校において、英語が正式な教科として位置づけられたことから、実用的な英語力の向上を図るため、小学校にALTを新たに配置するとともに、中学校においては、引き続き英語検定を実施してまいります。 なお、地域の力を学校運営に活かすため、新たにコミュニティ・スクール制度を導入し、具体的には、学校に学校運営協議会を設置し、同協議会において、保護者や地域の方と連携し、学校の様々な課題を解決することにより、学校運営のより一層の充実を図っていくこととし、2019年度においては、まずは、入間川小学校、入間川中学校、柏原小学校及び柏原中学校の4校に導入し、その後、すべての小中学校に順次導入してまいります。 次に、学童保育室につきましては、2019年度において、新たに100名の保育の受け皿を確保するため、入間川東小・富士見小学童保育室分室及び広瀬小学童保育室分室を4月から開設するとともに、さらに約30名の受け皿の拡大に向け、柏原小学校の余裕教室を活用して柏原小第二学童保育室を整備・拡充し、待機児童の解消に向けて取り組んでまいります。 次に、就学援助につきましては、学用品費や修学旅行費等の支給額を引き上げるとともに、新たに卒業アルバム等の作成に係る費用を追加し支給してまいります。 また、生活困窮世帯の児童生徒への学習支援事業、いわゆるアスポート学習支援事業につきましては、学習支援に加え、生活指導や社会的自立に向けた支援を行うほか、2018年度から、クラウドファンディング型のふるさと納税を活用して、高校や大学等に進学する際の費用の一部を助成する、給付型の就学応援金制度を開始したところであり、これについても引き続き実施してまいります。 次に、学校教育施設の充実につきましては、新しい学習指導要領を見据えて、学校のICT環境の整備・充実を図るため、すべての小中学校への無線LANの導入に向け、必要な調査設計を行ってまいります。 また、小学校のトイレの洋式化につきましては、それまでの計画を変更し、2倍のスピードで2017年度から進めているところですが、2019年度は5校を対象に、教職員等が使用するトイレも含めて実施し、平成32年度にはすべての小学校で洋式化を完了させ、その後、中学校についても洋式化を進めてまいります。 なお、空調設備の改修につきましては、2017年度をもってすべての小中学校で完了しておりますが、老朽化が著しい柏原小学校においては、2018年度に引き続き、更新工事を実施してまいります。 次へ 戻る TOPへ |